調査結果

 電話セールスに対する米国なみの厳しい規制を導入することに対して、購入経験の有無に関わらず、88%の人が賛成していることがわかった。米国連邦取引委員会(FTC)が導入した「電話お断りリスト」(National Do Not Call Registry)と同じ制度が日本にもあれば、約80%の人が登録すると答えている。
 米国では、FTCが6月末より開設している「電話お断りリスト」に既に5千万件近くの電話番号(アメリカの家庭電話の約25%以上)が任意登録されている。来る10月1日からは登録済み番号に対して電話セールスを行った業者に一回につき最高1万1千ドルの罰金がかかることになっている。登録は今後も増加する見込みであり、関連業界からは経済的ダメージが大きいと反対の声が上がっている。
 ライフメディアでは、米国FTCの今回の規制は、ダイレクトマーケティングのあり方に対する深刻な問題提起であると捉え、生活者の観点から評価を試みた。
 まず、電話セールスをこの半年以内に受けたことがある人は全体の89%にものぼり、日本においても米国同様に、この形態のダイレクトマーケティングが非常に盛んであることがわかる。電話セールスに応じてこれまで一度でも購入をしたことがある人は11%いる。
 セールスの電話に対する基本的な態度を尋ねたところ、最も多いのが「興味が無い等の理由を述べてから穏便に電話を切る」の66.0%、その次に「相手が話し続けていてもすぐに電話を切る」の12.9%が多かった。「迷惑電話に対する抗議の意思表示をしてから電話を切る」という人も10.3%いる。これに対して、セールスの話を聞くという人は「興味のある商品ならば聞く」「どんな商品でも最後まで聞く」を併せても7.7%にとどまった。
 「電話セールスを受けた後のあなたの気分は?」という質問に対しては、67.0%が「不愉快になる」、また8.8%が「無性に腹が立つ」としており、電話セールスが多くの消費者の気分を害していると言える。
 年代別に見ると、電話セールスで買ったことがある人は、10代3.3%、20代7.4%、30代10.4%、40代14.9%、50代12.4%となっており40以上の年代での購入者経験者が多いことがわかる。
 しかし、電話セールスを受けた後の気分を尋ねると、不愉快または無性に腹が立つという人の合計は、10代70.7%、20代78.8%、30代78.0%、40代78.1%、50代74.2%と世代に関わらず高い水準になっている。
 もしそういう制度が日本にもあれば「電話お断りリスト」に登録するという人は、10代66.4%、20代76.9%、30代81.6%、40代81.9%、50代81.7%と、おおむね年代とともに増えている。
 このような制度を日本でも導入することに対して賛成する人は、10代79.2%、20代85.6%、30代89.1%、40代89.6%、50代88.1%となっており、世代を問わず、また、購入経験に関わらず極めて多いと言える。
調査結果
■Q1.過去半年以内に電話セールスを受けた人
受けたことがある
88.9%
受けたことはない
10.8%
■Q2.電話セールスで買ったことがある人 
買ったことがある 11.0%
買ったことがない 88.7%
■Q3.電話セールスだと判った後のあなたの態度は?
  全体 購入経験者
すぐに電話を切る (相手が話し続けていても) 12.9% 9.6%
迷惑電話に対する抗議の意思表示をしてから電話を切る 10.3% 4.7%
興味が無い等の理由を述べてから穏便に電話を切る 66.0% 60.9%
興味ある商品なら一応聞く 5.2% 17.1%
どんな商品でも説明をだいたい最後まで聞く 2.5% 4.4%
その他(無回答を含む) 3.2% 3.2%
■Q4.電話セールスを受けた後のあなたの気分は?
  全体 購入経験者
特別な変化はない 17.8% 20.6%
電話セールスの相手をするのが好きなので、案外楽しい 1.6%
2.1%
不愉快になる 67.0%
60.5%
無性に腹が立つ 8.8% 8.4%
その他 4.7% 8.4%
■Q5.あなたは「電話お断りリスト」に登録しますか?
  全体 購入経験者
登録する  39.5%
40.3%
たぶん登録する 40.4%
40.6%
わからない(無回答含む) 14.7%
14.4%
たぶん登録しないだろう 4.5% 4.3%
登録しない 0.8% 0.4%
■Q6.制度を日本でも導入することに対してあなたの立場は?
  全体 購入経験者
大賛成 51.0%
50.9%
やや賛成 36.5%
37.1%
わからない(無回答含む) 10.5%
9.2%
やや反対 1.5% 1.9%
大反対 0.4% 0.7%
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【参考】米国の状況の概要
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(1)「電話お断りリスト」
  米国では、電話セールスはお断りという消費者は連邦取引委員会(FTC)が用意した「電話お断りリスト」(National Do Not Call Registry)に自分の電話番号を登録します。
  この受付が今年の6月末から始まっていますが、8月26日のFTC発表によりますと既に 4,170万件の登録があり、これはアメリカの家庭電話の約25%に相当します。その後の続報では 8月末までに4,840万件に達したとのこと。登録は今後も継続しますので数はもっと増えます。
  FTC発表文(英文)はこちらです→http://www.ftc.gov/opa/2003/08/dnc1wk.htm
  続報はこちら→http://www.ftc.gov/opa/2003/09/030902dnc2.htm

(2)この10月1日から罰金制度
  電話セールス業者がこのリストに登録されている番号に電話した場合、一回につき最高1万1千ドルの罰金がかかります。120円/ドル換算で132万円ですから業者にとってはかなりのダメージになる金額です。
8月31日迄に登録された電話番号については10月1日から罰金付きの規制が始まります。
  もちろん登録は引き続き受け付けられますが、その電話番号が規制の対象になるのは、登録後90日たってからというルールになっています。

(3)電話セールス業者はどうする?
  電話セールスをする業者はFTCから「電話お断りリスト」を購入することができます。
  罰金を免れるには、むしろリストを購入せざるを得ないと言うべきでしょう。
  この料金が毎年最大7,375ドル(すべての地域局番のリストを利用する場合)と定められています。ただし局番5つ迄なら無料なので地域限定業者には金銭的負担はかかりません。
  FTCによるリストの販売は9月1日から始まります。

(4)例外もある
  以上のようなルールなのですが、登録しても電話がかかって来る例外ケースがあります。
  ちょっと細かいですがご紹介しておきます。
  ・商品購入後の18ヶ月間
  ・資料請求後の3ヶ月間
  また、慈善団体、政治団体、調査会社からの電話はそもそも規制の対象になりません。
  ただし、これらの団体や企業には「電話お断りリスト」を無料でアクセスする特権が与えられており、なるべく消費者の意思を尊重することが奨励されています。

(5)業界は反対表明
  このような規制が実施されると、コールセンターから発信される電話が大幅に減るので、長距離電話会社の収入が減ると予測されています。そもそも、コールセンター業務に係わる雇用も激減すると予測されており、経済的にはマイナス効果が予想されています。それゆえに、関連業界団体からはこの規制に対する疑問や反対の声が上がっています。
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